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2015年12月10日

株式投資に対する基本的な考え方 – 株式は財布だ –

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このコラムでは管理人が日々の金融や政治、時にはスポーツ?などに関連した自分が思うことをアップしていきます。

今回は初回ということで日ごろどのような観点で管理人が株式を分析しているかを紹介します。私はトレーダーではないので自分で株式を売買することは現在ではほとんどありません。

ただし、職業柄お客様や知人からこの株ってどう?という質問をよくされます。その時に必ずするお話しが今回のテーマです。

 

サブタイトルにある通り私は株式とは財布のようなものだと考えています。

例えば今財布の中に10万円入っていて毎年、1万円前後のお金が新しく入ってくる財布があるとします。

この財布をいくらであれば買いたいか、また売りたいかという競りが毎日開催されているのが証券取引所で毎日行われている取引です。

大体この話をしていくらだったらこの財布を買いますかという質問をするとみなさん12万円~15万円と言う回答をされます。非常にバランスの取れた常識的な数字だと思います。

 

ところででは株式が財布だとすると財布の中に入っているお金は株式における何かといいますと、会社が保有する資産です。

そして毎年1万円前後入ってくるお金は会社の利益です。そしてこの財布に例えばOX商事という名前と4桁の証券コードが振ってあります。

この財布をいくらで買いますかというのが株の取引です。

 

ではこの観点でトヨタ自動車の株式を分析してみましょう。

トヨタ自動車の2015年11月27日時点での株価は7670円 PERは10.73倍PBRは1.3倍となっています。

この場合1株当たりの純利益、つまり財布で言うところの一年に1回入ってくるお金は7670÷10.73=714.81円です。

そして1株当たりの資産は7670÷1.3=5900円です。

つまりトヨタ自動車という名前の付いた財布に5900円のお金が入っていて毎年約715円のお金が追加されるのをいくらで買いますかという話です。

そして11月27日時点ではこの財布に7670円の値段が付きました。ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、

トヨタ自動車の株は先ほどの財布の話の時点でみなさんが言った買いたい価格と同じような水準で推移しています。なのでトヨタの株は高すぎることもなく安すぎることもないフェアバリューだと言えるでしょう。

ではここでもう一社分析しましょう。

 

ここではユーグレナという会社の株式を分析します。ユーグレナはミドリムシを使った食品を開発しているバイオベンチャーで東大の研究室から生まれた会社です。

実際一頃は知人からユーグレナの株ってどう思うっていう相談をよく受けました。

ユーグレナの11月27日時点での株価は1700円 PERは251倍 PBRは約11倍です。

この場合の1株当たり純利益は1700÷251=6.77円 1株当たりの資産は1700÷11=154.54円です。

つまりユーグレナという財布には154円が入っていて毎年7円くらいが入ってくるのですが、この財布につけられている値段がなんと1700円なのです。

いかにユーグレナが割高であるかご理解いただけると思います。

 

この財布を使った分析はこのコラムでたびたび使っていく話ですので是非覚えておいて下さい。

今日は以上です。

片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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