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2016年02月18日

保険を利用した資産運用シミュレーション

 

サマリー

・変額年金保険で資産運用すれば、一定の条件の下で「最低保証」が受けられる

・米ドルや豪ドルなどの外貨建て保険を利用し、積極的に利回りを追求する道もある

・保険による資産運用は、商品ごとのメリットやリスクを慎重に検討する必要がある

 

 

保険での資産運用

保険の最も大きなメリットの1つは、「守る」と「増やす」を同時にできることです。一定のリスクを避けながら、お金を増やせます。以下では、保険を利用して資産運用したいとのニーズをお持ちの方に、具体例を用いて保険の商品性を解説します。

 

なお、当記事は、保険による資産運用のイメージを持って頂くことのみを目的としており、簡略化した事例を用いております。当記事は、特定の保険商品を勧誘・推奨するものではございませんのでご注意ください。

 

 

「最低保証」を付けてお金を増やせる変額年金保険

銀行預金の金利が低すぎて預ける気にならない、しかし株や投資信託は怖い・・・そういう方には個人向け変額年金保険が合うかもしれません。

 

変額年金保険は、最初に保険料を一括して全額払い込み、一定の運用期間を経た後に年金を受け取る商品です。一括して払い込まれた保険料は、保険会社に属する運用の専門家によって株式や債券などに投資されます。その運用成果によって、契約者が受け取る保険金が変動します。このように、年金の保険金額が変動するため、「変額年金」と呼ばれています。

 

また、株式や投資信託などの資産運用には通常、元本保証など一切ありませんが、変額年金保険の場合、払い込んだ保険料を一定の条件の下で100%保証する機能が付いている商品もあります。万が一、保険会社が運用に失敗するなどして損失が生じても、一定の運用期間を経た後は、保険金が元本未満にならないものもあるということです。

 

変額年金保険の商品の一例として、メットライフ生命の「ゆうゆうつみたて年金」があります。

 

例えば、Aさんが運用期間が最低10年の「ゆうゆうつみたて」に1,000万円で加入したとします。仮に、最低10年の運用期間が満了した時点で、その保険金が1,100万円に増えたとすると、1,100万円を原資にして、年金として分割して受け取ることになります。もし、最低10年の運用期間満了後、Aさんの保険金が900万円に減ってしまっても、900万円を原資にするのではなく、1,000万円を原資にして、年金として分割して受け取ることができます。これは、最初に払い込んだ1,000万円を最低保証額とする機能が付いているためです。

 

但し、途中解約した場合など最低保証がなされない場合がきめ細かく定められていますので、注意事項をよく確認し、実際の加入に当たっては慎重に検討する必要があります。

 

 

為替リスクを取れる方は、外貨建て保険の活用を

今後、外国のお金を保有して通貨分散しておきたいという方は、外貨建て保険を考えてはいかがでしょうか。

 

外貨建て年金保険とは、保険料を米ドルや豪ドルなどの外貨で支払い、一定期間運用した後に保険金を一括または年金の形で受け取る商品です。為替リスクがありますが、その反面、運用の目標利率が高く設定されているため、利回りが高い傾向にあります。また、一般的に、受け取る保険金は円または外貨のいずれかを選択できます。円建ての保険よりも積極的に運用したい人のニーズに合うでしょう。

 

このタイプの商品の一例として、三井住友プライマリー生命の「外貨建定額終身保険」(以下、「外貨建保険」と呼びます)があります。この商品は終身保険なので、ご遺族の方にお金を残すニーズがある方に適した商品の1つです。

 

例えば、Bさんが「外貨建保険」を米ドルで契約したとします。契約時に保険料を10万米ドル払い込んだ場合、その保険料が積立利率1.25%(契約日が2016年3月28日~2016年4月10日の場合)で年複利運用されます。その後、10年経過した時点で保険金が支払われた場合、保険金は約11万3,000米ドルに増えます。

 

「外貨建保険」は為替リスクがありますので、為替の値動きを考慮する必要があります。仮に契約時と保険金受取時の双方がドル=110円の場合、保険料は1,100万円、保険金は約1,243万円になります。しかし、契約時と保険金受取時の為替レートは異なることがあります。よって、保険金受取時の為替が、契約時と比較して円高・円安のどちらかになるかが重要です。

 

以下では、保険金受取時が契約時と比較して円安になった場合と、円高になった場合を検証します。

 

円安の場合 例.契約時ドル=110円/保険金受取時ドル=120円

受取保険金約1,356万円-保険料1,100万円=利益約256万円

円高の場合 例.契約時ドル=110円/保険金受取時ドル=100円

受取保険金約1,130万円-保険料1,100万円=利益約30万円

 

このように、為替の値動きによって得られる損益はかなり変動することになります。

 

以上は、ほんの一例にすぎません。保険金受取時の為替が契約時と比較して非常に円高ドル安に進んだ場合、損失が生じる恐れもあります。外貨建て保険への加入を検討する場合、必ず為替リスクなどに注意する必要があります。

 

 

まとめ

資産運用する場合、できるだけリスクは避けたいものです。保険商品は、一定のリスクを軽減できるメリットがあります。一方、商品の特性によっては、資産の変動リスクや為替リスクなどデメリットを負うこともあります。保険を含めた多数の商品をじっくり比較検討して、賢く資産運用しましょう。

 

 

ご参考

・メットライフ生命 ゆうゆうつみたて年金

http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp255/index.html

・三井住友プライマリー外貨建定額終身保険

http://www.ms-primary.com/products/primary_gaika_syushin/index.html

 

 

 ※当記事は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的としており、特定の保険商品を勧誘・推奨するものではありません。保険加入をご検討の際は、各商品の注意事項をご自身で確認し、保険加入の最終判断はご自身の判断で行ってください。