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2016年12月04日

金融・投資関連業の許認可関係

 

サマリー

・金融商品取引業者など投資に関連する業者は、許認可制度や登録義務などによって法的に規制されている

・「金融商品取引業」「金融商品仲介業」「登録投資法人」「適格機関投資家等特例業者」などについては、登録や届出が必要になる

・金融商品の取引を行う際は、相手業者の登録の有無など確認した方がいい場合がある

 

 

投資家保護のための許認可制度

金融商品取引業者など投資に関連する業者は、許認可制度や登録義務などによって法的に規制されています。許認可制度等は、金融市場に対する信頼を確保すると共に投資家を保護するための仕組みの一つです。

許認可制度や登録義務により規制されている業者として、「金融商品取引業」「登録金融機関」「金融商品仲介業」「証券金融会社」「登録投資法人」「適格機関投資家等特例業者」などが挙げられます。今回は、金融・投資関連業者の許認可関係などについて見ていきましょう。

 

 

金融商品取引業

金融商品取引業には、「第一種金融商品取引業」「第二種金融商品取引業」「投資運用業」「投資助言・代理業」の4つがあります(詳しくは「金融商品取引業」の4つの業務の違いを参照ください)。金融商品取引業を行う場合の最低資本金などが法律上定められており、業者としての適格性が要求されます。但し、「第二種金融商品取引業」「投資助言・代理業」は個人でも開業できてしまいます。そのため、投資家は個々の金融業者が信頼できるかどうかを見極める必要があります。

 

 

登録金融機関

本来、銀行などの金融機関は有価証券の売買・勧誘業務や投資運用業務を行っては“ならない”とされています。これは、銀行が株式に関する業務を行った場合、銀行が多額の損失を抱えるリスクが高まるためであり、預金者保護などを目的とした銀証分離(銀行業務と証券業務を分けること)が定められているからです。

 

しかし、例外として、金融機関が内閣総理大臣の登録を受けた場合、有価証券に関連する業務の一部を行うことができます。こうして登録を受けた金融機関を「登録金融機関」といいます。銀行や信用金庫を始め、信託銀行や生命保険会社などが「登録金融機関」に登録しています。これらの金融機関は、主に投資信託の販売などを行う目的で登録を受けていると見られます。

 

 

金融商品仲介業

「金融商品仲介業」とは、金融商品取引業者の委託を受けた個人又は法人が顧客と業者の間の株式売買の“媒介”などを行う業務をいいます。金融商品仲介業者は、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。

 

金融商品仲介業者の例として、ネット証券などから委託を受けた独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA)が挙げられます。IFAは顧客に対して投資提案を行い、業務委託契約を結んでいるネット証券などと顧客の間の取引を媒介する業務などを行っています。

 

 

証券金融会社

「証券金融会社」とは、金融商品取引法に規定する免許を受けた株式会社のことをいいます。信用取引の決済に必要な資金又は株式を証券会社に貸すなど、証券金融専門の業務を行います。

 

2016年6月現在、証券金融会社として免許を受けている会社は、日本証券金融と中部証券金融の2社があります。例えば、日本証券金融は「貸借取引貸付」という業務を行っています。「貸借取引貸付」とは、日本証券金融に担保金の差入を行った証券会社に対して、日本証券金融が株式買付資金や売付株式を貸し出す業務をいいます。このような業務が、レバレッジをかけて株式取引を行う信用取引制度を支えています。また、日本証券金融は有価証券を担保として資金の貸付けを行う証券担保ローンなどの業務も行っています。

 

 

登録投資法人

内閣総理大臣の登録を受けた投資法人は「登録投資法人」と呼ばれ、資産運用業務を行うことができます。「登録投資法人」の例として、J-REITの投資法人などが挙げられます。投資法人は自ら投資運用業務を行うことを法律上禁止されており、運用業務を外部の資産運用会社などに委託する形を取っています。また、取得した資産の保管は信託銀行など資産保管会社に、一般事務は事務受託会社にそれぞれ委託しています。

 

 

適格機関投資家等特例業者

本来、投資ファンドを組成する場合、原則、金融商品取引業の登録が必要となります。しかし、例外として「適格機関投資家等特例業者」と認められた場合、簡易な届出手続により投資ファンドを組成することができます。

 

「適格機関投資家等特例業者」に認められる条件として、金融商品取引業者など投資に関する専門知識を有する「適格機関投資家」が1名以上ファンドの出資者となっていることや、一般投資家の出資者が49名以下であることなどが挙げられます。例えば、ヘッジファンドやベンチャーキャピタルなどが「適格機関投資家等特例業者」として認められています。

 

 

まとめ

以上のように、金融・投資関連の事業者には様々な種類が存在します。それぞれの業者・法人の区分によって、可能な業務/してはいけない業務が法律で定められています。金融・投資関連業者は、投資家に深く関わる存在です。少し難しい部分があるかもしれませんが、業者との取引を行う際は、相手業者の登録の有無などを確認してみると良いでしょう。

 

関連ページ

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■ タックスヘイブンは違法なのか? – 適法と違法の境界線 –

 

 

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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