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2017年01月09日

株式投資の効果は売買益だけではない!知っておくべき株主行動主義とは

 

サマリー

・株主行動主義とは、株主が「株主としての利益」を守るべく活動すること

・株主行動主義は、1980年代にアメリカで生まれた

・株式行動主義の流れに沿ったヘッジファンドはアクティビストファンドとして知られる

 

 

株主行動主義とは

株主行動主義(株主アクティビズム)とは、株主が保有株式を売却するという権利を行使せずに、「株主としての利益を守るために行動をとること」をさします。これはアメリカの証券市場で生まれた考え方です。

 

 

歴史的な背景

歴史的な大きな流れを整理すると、1950-60年代にアメリカで投資家として大きな役割を演じたのが”企業年金”でした。企業年金のそれまでの資産運用は、ウォールストリート・ルールと呼ばれる方式に基づくもので、これから良くなりそうな会社や悪くなりそうな会社の株をいち早く売買する比較的短期の投機的な行動でした。

 

しかし、1970年代に入ると、経済の停滞、株式市場の低迷で企業年金の資産は大きく傷つき受給権が脅かされます。そこで政府は保護のため、分散投資をするよう法規制を整理します。このような背景を受けて、1980年代には企業年金の投資行動は分散投資・長期保有に移行します。

 

企業年金が自由に株価を売り買いしていた時、経営者は株価に配慮せざるを得ませんでした。ところが、分散投資・長期保有では「一度買うと持ちきり」が原則であるため、投資家の評価が経営者に伝わりにくくなります。その結果、株主の利益を損なってしまうような経営を行う企業が増えその影響を無視できなくなってきたのです。

 

企業年金の監督官庁である労働省は、1988年に、それまで禁じていた議決権行使を解禁し、むしろ株主の利益の観点から議決権を行使することは受託者責任の一環であるとして議決権行使を認めました。

その後、企業年金は、株主の利益を代弁する社外取締役を取締役会に送り込み、経営者に株主利益を重視した経営を迫るようになります。ここに、株主行動主義が誕生したのです。

 

 

まとめ

管理人が資産を預けるヘッジファンドにも、このように株主行動主義の流れにそったファンドがあります。株主としての権利を最大限行使しながら投資先の株価を能動的に上げにいくファンドを、アクティビストファンドと呼びます。短期的・投機的な売買をするファンドに比べると、より「事業」としての側面が強くなるものであり、管理人は、投資で長期に勝つことを考えると非常に重要かつ本質的な手段だと考えています。

 

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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