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2016年03月24日

“暴言王”トランプ、世界のリーダーに!? – もしもの時のトランプ銘柄 –

 

サマリー

・”暴言王”トランプは多数の批判を受ける一方支持率はトップで、今、共和党大統領候補に最も近い存在

・万が一トランプが新大統領になった場合、政策の不透明性から市場が荒れる可能性も

・トランプの大統領就任で、米国の機械産業株や防衛産業株が値上がりするかも!?

 

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“Donald J. Trump is calling for a total and complete shutdown of Muslims entering the United States…”

「ドナルド・トランプは、米国へのイスラム教徒の入国を完全かつ全面的に停止することを求めている」

(2015年12月7日記者会見にて)

 

“I will build a great, great wall on our southern border, and I will make Mexico pay for that wall. “

「オレはメキシコ国境に万里の長城を造る。そして、壁にかかるカネはメキシコに払わせてやる」

(2015年7月23日テキサス州のメキシコとの国境の町にて)

 

“Markets are crashing – all caused by poor planning and allowing China and Asia to dictate the agenda. “

「市場が暴落している。すべては、手違いで中国とアジアが主導権を握ることを許したせいだ」

(2015年8月24日 22:43本人アカウントのツイッターより)

 

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以上の語録は、ツイッターなどで見かける「ネト○ヨ」の匿名つぶやきではございません。驚くことに、これらはすべてアメリカ共和党の最有力大統領候補、ドナルド・トランプ氏の発言なのです。

他にも、「移民なんかくそくらえ」だの「(ライバルの女性候補に対して)あの顔を見てみろ。だれがあんなのに投票するんだよ?」だの、数々の暴言は留まるところを知りません。

 

こんなトランプ氏に対して、各界からこんな反応が相次いでいます。

 

まさに、昨今話題の”ゲス不倫”タレントたちもびっくりの炎上ぶり。

 

しかし、朝日新聞の記事(トランプ氏の支持率、過去最高49% 共和党支持層)によると、ドナルド・トランプ氏は、今年2月29日に行われた全米規模の世論調査で、大統領選の共和党候補者として、共和党支持層から49%の支持率トップを獲得。大統領選の共和党候補を決める予備選挙が各州で多数行われた「スーパーチューズデー」においても、ライバル候補と比べて一歩リードする形となっています。

 

ディズニーのアヒルじゃない方の”とにかく暴れるドナルド”は、本当にアメリカの新しい顔になってしまうのか!? 彼の経歴や金融市場に対する影響を見てみましょう。

 

 

ドナルド・トランプってどんな人?

ドナルド・トランプ氏(69歳)はニューヨーク出身で、全米にホテル、カジノ、ゴルフコースその他の不動産を有するアメリカの不動産会社のCEOを務めています。保有する不動産は時価数千億円といわれ、「アメリカの不動産王」の異名を持つ人物です。

 

 

実はまだマシ!? 共和党候補にトランプを推す声も

意外な理由で、トランプ氏を共和党の大統領候補に推す国民もいるようです。

 

米大統領選の様子を継続ウォッチしている作家のネット記事(後記)によれば、共和党候補者の中に、トランプ氏より危険な人物がいるとされています。共和党でトランプ氏に次ぐ支持を集める大統領候補のテッド・クルーズ氏です。

 

クルーズ氏は、ハーバード・ロースクール卒の超エリート。しかし、クルーズ氏の危険性は、彼の主張を聞くとわかります。クルーズ氏の政治的な主張は、以下のようなものです。

  • ・「婚前交渉反対/純潔運動推進」
  • ・「妊娠での女性の選ぶ権利反対」
  • ・「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の権利確立に反対」
  • ・「進化論否定」
  • ・「死刑存続」
  • ・「銃規制反対」
  • ・「国民皆保険反対」
  • ・「障害者権利条約の批准阻止」

 

つまり、クルーズ氏は共和党の中でも「極右」と呼ばれる政治的信条を持っています。仮にクルーズ氏が大統領になった場合、例えば「女性の権利」や「LGBTの権利」は大きく制限されることになると考えられます。よって、ゴリゴリの「極右」クルーズ氏が大統領候補になるくらいなら、口だけっぽいトランプ氏が大統領候補になった方がまだマシ、というアメリカ国民が一定数いるのではないかと予想されます。

 

本物の「極右」は「ネト○ヨ」よりはるかに怖い・・・ということですね。

 

 

トランプが大統領になったら?株・為替への影響

今のところ、経済政策に対するトランプ氏の考え方は定かではありません。また、株式市場に関するトランプ氏の発言にもあまり一貫性が見られず、株・為替など金融市場では、その将来への不確実性を懸念する声が高まっています。

 

加えて、市場の中には、トランプ氏の政治的な能力に対する不安を指摘する声もあります。前述の通り、元々トランプ氏は不動産会社を経営する実業家であり、経歴上、政治経験はほとんど見当たりません。

 

従って、今年11月8日の大統領選本選まで、金融市場はトランプ氏への支持率次第で大きな混乱を見せる可能性があると考えられます。

 

 

もしもの時のトランプ銘柄一覧

最後に、万が一トランプ氏が大統領になった場合、その大統領就任が株価にプラスに働くかもしれないアメリカの株式銘柄を、一覧にしてご紹介します。必ず役立つとは全く申し上げられませんが、「株式市場にこんな銘柄もあるのか」というご参考にして頂ければと思います。

 

■ ディーア【DE

  • 米国の農業機械・建設機械メーカー。農業機械分野では世界最大。
  • トランプ氏は中国からの輸入制限を主張。実際に制限された場合、中国系機械メーカーとの競合緩和で売上拡大?

 

■ ジョン・ビーン・テクノロジーズ【JBT

  • 食品加工業・航空輸送業向けに情報技術ソリューションを提供。システム設計・製造など。
  • 上記ディーアと同様、輸入制限により国内の情報技術市場で優位性を確保する可能性あり。

 

■ スミス・アンド・ウェッソン・ホールディング【SWHC

  • 米国の銃器メーカー。製品は、個人用から行政機関・軍隊用まで幅広く販売。
  • トランプ氏は銃規制反対。オバマ政権では規制強化を図ったが、トランプ氏就任で業界に追い風か。

 

■ ロッキード・マーチン【LMT

  • 戦闘機やミサイル防衛システムなどを製造・開発する米国最大の防衛関連企業。
  • 好戦的な傾向のあるトランプ氏が就任すると、米国の防衛予算増で需要増か。

 

■ ノースロップ・グラマン【NOC

  • 米国の軍需メーカー。軍用ドローンのメーカーとしては世界トップ。
  • 主要顧客が米国防総省等のため、トランプ氏就任→防衛予算増→業績拡大?

 

※将来の投資成果は一切保証いたしません。ご了承ください。

 

まとめ

アメリカの新大統領が決まるまで、残り約7か月。今後、資産運用をご検討の際は、万が一の”トランプ大統領誕生”のシナリオも念頭に置いて各自判断をした方がいいかもしれません。

 

 

参考記事

・危ないトランプ、もっと危ないクルーズ – https://cakes.mu/posts/12273