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2016年07月01日

2020年東京五輪までの個別株投資戦略を考えよう

 

サマリー

・東京五輪が“日本株全体”に対して何らかの影響を及ぼすとは明確に言えない

・しかし、東京五輪が局所的な経済効果をもたらす可能性は大きいと考えられる。東京五輪の経済効果を考慮して投資先を検討するのも一つの方法である

・東京五輪までの投資につき、「建設・インフラ関連株」や「観光・旅行業関連株」などの株価が上昇する可能性がある!?

 

 

オリンピック前後の株価推移はバラバラ?

2020年、東京五輪が開催されます。気になるのは、東京五輪が日本株に何らかの影響を与えるのかという点です。

 

オリンピックと日本株全体の株価との間に、何らかの相関関係があるのでしょうか。最初に結論をいうと、双方の間にあまり明確な相関性は見当たらないかと考えられます。

 

ある金融情報サイトのまとめによると(Money Concierge Japan Financial Blog「オリンピックで本当に株価は上がるのか!?」)、過去のオリンピック前後の株価の推移は、3つのパターンに分けられるとされています。1つ目は「ソウルやアトランタのようなオリンピック開催後まで株価上昇が継続するパターン」、2つ目は「アテネや北京のように開催前までにピークを付けてしまっているパターン」、3つ目は「バルセロナやロンドンのように大きな動きがないパターン」と解説されています。

 

つまり、過去のデータに基づくと、オリンピック前後の株価は、「上昇」「下落」「ほぼ横ばい」のどのパターンも起こり得るのではないかと考えられます。オリンピック前後の株価推移は明確な一貫性がなく、バラバラであるとも捉えられるのです。

 

よって、東京五輪が“日本株全体”に対して何らかの影響を及ぼすとは明確には“言えない”と考えられます。2020年東京五輪までの投資を検討するに当たっては、「東京五輪があるから株価が上がるはず」などといった理由のみで安易に投資するのではなく、より明確な根拠に基づいた投資戦略が必要です。

 

 

経済効果30兆円!?東京五輪までに個別銘柄を狙う

東京五輪が“日本株全体”に対して与える影響は不明確かと思われますが、一方で、東京五輪が個別銘柄の株価を押し上げるなど局所的な影響をもたらす可能性は大きいと考えられます。

 

東京五輪までの個別株投資を考えるに当たって、東京五輪による経済効果などを考慮する必要があります。

 

2020年東京五輪の経済効果に関して、日本銀行は2015年12月28日にリポートを発表しました(日本銀行「(論文)2020年東京オリンピックの経済効果」)。そのリポートによれば、東京五輪は、2014~2020年の7年間で国内総生産(GDP)を累計25兆~30兆円押し上げる効果があると試算されています。この経済効果をもたらす要因として、外国人観光客が2020年までに年間3,300万人に達する見通しや、オリンピック関連施設などインフラ投資が2020年までに総額10兆円にも上ると見込まれることが挙げられています。

 

以上のような2020年までの経済予測に基づいて、東京五輪までの個別株投資を検討するのが投資戦略の一つになると考えられます。

 

 

東京五輪関連銘柄

東京五輪の経済効果を考慮すると、個別株投資においては、「建設・インフラ関連株」や「観光・旅行業関連株」を検討されてみるといいかもしれません。ここでは、「建設・インフラ関連株」や「観光・旅行業関連株」などの一部をご紹介します。

※当記事は個別銘柄の購入を推奨するものではありません。またこれらの銘柄が確実に株価を上昇させるということを保証するものでもありません。

 

<建設・インフラ>

■ 大成建設【1801

ゼネコン大手。東京五輪のメイン会場となる新国立競技場(建設費約1,785億円予定)の事業者に選定された。

 

■ 太平洋セメント【5233

セメント専業最大手。東京五輪を前に、競技場や道路整備のためのセメント需要が高まる見通し。

 

■ 東亜道路工業【1882

道路舗装大手。東京五輪に向けた道路整備の需要増加か。PBR※(株価純資産倍率)0.59倍と依然として割安感がある点も参考に投資を検討したい(2016年4月22日時点)。

※PBR(Price Book-value Ratio)が1倍割れしている場合、その株式会社が解散すれば、株主は保有株式の価値以上の会社の残余財産を取得できる可能性がある。よって、PBR1倍割れの株式は割安とされている。

 

■ 前田道路【1883

道路舗装大手。好採算の短期案件が多い。東亜道路工業と同様、2020年まで潜在需要増を見込む。2013年3月期以来4期連続最高益更新。原油安も業績に追い風。

 

■ OSJBホールディングス【5912

傘下に日本橋梁とオリエンタル白石を有する。五輪までに首都高速道路の大規模改修工事の実施が行われることから、業績拡大の期待感あり。

 

■ 鉄建【1815

鉄道・道路建設などに強い。リニア関連の受注もあり。東京五輪競技施設の建築工事を一部受注。PBR0.92倍(2016年4月22日時点)と割安感あり。

 

 

<観光・旅行業界>

■ エイチ・アイ・エス【9603

旅行業界大手。訪日観光客の増加が業績を押し上げるとみられるインバウンド関連銘柄。

 

■ 藤田観光【9722

高級宴会場など経営。保有施設周辺には五輪競技場が集中している。五輪需要を見込んだ積極的な事業投資を行い、観光立国のリーディングカンパニーを目指す。

 

 

<その他>

■ ALSOK【2331

警備サービス大手。東京五輪のスポンサー契約を締結し、競技場などの警備業務の需要増加が見込まれる。2017年3月期は最高純益が視野に入る。

 

■ 東祥【8920

「ホリデイスポーツクラブ」運営。東京五輪開催に向け、スポーツ関連銘柄として注目を集める可能性あり。その他ホテルなども運営し、訪日観光客増加も業績に追い風か。

 

 

まとめ

2020年東京五輪までの投資を検討する場合、投資する個別株の選択については、明確な根拠に基づいて行う必要があります。「インフラ投資の拡大」や「訪日観光客の増加」などの東京五輪の経済効果によって、株価が上昇する個別銘柄が多数あるかと予想されます。そのような個別株への投資をご検討されてみるのもいいでしょう。

 

ご参考

・2020年東京オリンピック関連銘柄特集(楽天証券) – https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/2020_tokyo/

 

※ 当記事は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的としており、将来の投資成果を保証するものではありません。また、特定の投資商品の購入を推奨するものでもありません。ご了承ください。

 

 

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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