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2016年08月06日

2025年、約9兆円市場へ?VR関連銘柄をチェック

 

サマリー

・VRとは、コンピュータによって生み出された仮想空間をあたかも現実のように体験する技術をいう

・VRは、ゲーム・製造業・医療分野など多岐に渡る産業利用が想定されており、2025年の市場規模は約9兆円になるともいわれている

・将来的な投資対象の候補として、VR関連銘柄をいくつかご紹介。是非ご参考に。

 

 

2016年はVR元年?

VR(Virtual Reality)とは「仮想現実」を意味する言葉で、コンピュータによって生み出された仮想空間をあたかも現実のように体験する技術を指します。「拡張現実」を意味するAR(Augmented Reality)と合わせて、「VR/AR技術」などと呼ばれることもあります。VRは、ゲーム産業は勿論、製造業や医療分野などへの用途拡大も見込まれるため、産業全体に大きな影響を及ぼす技術になると考えられています。

 

ゴールドマン・サックスによると、世界のVR市場は2025年までに約800億ドル、日本円にして約9兆円(2016年5月24日の為替:ドル109円換算)の規模に達すると予測されています。この市場規模は、現在のデスクトップPC市場にほぼ匹敵します。

 

2016年はVR用のヘッドマウントディスプレー(HMD)が一般ユーザー向けに多数発売されるため、2016年はVRの普及が進み始める「VR元年」になると予想されています。特に注目されるのは、ソニー(6758)傘下の企業が2016年10月発売する予定のHMD「プレイステーションVR」です。プレイステーション4の周辺機器として発売される「プレイステーションVR」が世界的に大きな話題になれば、今後、VR市場の成長が本格化する可能性があります。

 

 

将来、VRはどのように産業利用されるのか

VRは既に家庭用ゲーム機やスマホのゲームアプリなどに活用されていますが、同時にゲーム以外の分野にも導入され始めています。

 

例えば、自動車のテスト走行や不動産販売の現場での物件体験ツールにVR技術が利用されつつあります。VR技術を用いた場合、HMDを着用したユーザーは、HMDの画面を通じてあたかも実際に自動車を運転しているかのようなシミュレーションを行ったり、不動産の内覧をしているかのような体験を得られます。これによって危険を冒す事なくテスト走行を行ったり、実際の物件の所在地まで行かなくとも多数の不動産を気軽に見学して回ったりすることができるようになると考えられています。また、建設機械のコマツ(6301)はVR技術を建機の開発・設計に活用し、製品の操作性、視界性や安全性を仮想空間でチェックするシステムを導入しています。

 

その他にも、VR技術は旅行産業やライブ、コンサートなどのエンターテイメント産業にも活用されようとしています。ユーザーは国内外の観光地を仮想空間に再現するバーチャルトラベルを行うことができるようになると言われており、一般ユーザーは勿論、病気や障害などで移動の困難なユーザーの利用が見込まれています。同様に、音楽ライブなどにもVR技術が応用され始めており、ユーザーは将来的にPCやスマホなどで360°のライブ映像をどこでも見られるようになると考えられています。

 

さらに、VR技術は医療分野においても導入を検討されています。研修医の手術トレーニングや乳幼児など難しい患者の手術へのVRの活用が試みられています。また、自閉症患者やPTSD患者の治療・リハビリにVRを利用する研究もおこなわれています。

 

以上のように、VRの活用は多岐に渡ると考えられており、今後、VR関連業界は有力な成長産業の一つとなる可能性があります。

 

 

VR関連銘柄

ここでは、VR関連銘柄の一部をご紹介します。VR関連の投資をお考えの方は、是非ご参考にされてみてください。

※当記事は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的としており、将来の投資成果を保証するものではありません。また特定の投資商品の購入を推奨するものでもありません。

 

■ コロプラ(3668

スマホゲームを主力に急成長。国内外のVR関連企業支援に特化したファンドを設立。世界最大級のVR専門ファンドとして最大60億円規模に拡大予定。

2016年1月4日終値2,334円→同年5月23日終値2,129円(約8.8%下落)

 

■ CRI・ミドルウェア(3698

多数のソフトウェアに共通して利用される「ミドルウェア」の販売などを行う。高品質な立体音響や360°動画の実現により、VRコンテンツの開発支援を目指す。

2016年1月4日終値1,282円→同年5月23日終値3,540円(約176.1%上昇)

 

■ シリコンスタジオ(3907

3DCG技術基盤のゲーム用ミドルウェアが主力。CG技術をVR分野に応用し、ゲーム・映像に加え、建築や自動車、製造分野などにも積極的な展開を目指す。

2016年1月4日終値2,816円→同年5月23日終値4,200円(約49.1%上昇)

 

■ JIG−SAW(3914

自動運用のサーバー監視サービスなどを手掛ける。提携先の英Kudan Limited.が日本国内で新型ソフトウェア開発キット「AR/VRエンジン+Unity 3D」を提供開始し、医療分野や製造業での活用を見込む。

2016年1月4日終値6,350円→同年5月23日終値10,640円(約67.6%上昇)

 

■ テクノホライズン・ホールディングス(6629

カメラレンズの開発など光学事業を手掛ける。Virtual Reality 360°(全天球パノラマ)撮影用カメラシステムの開発や販売などを行うことを発表。

2016年1月4日終値226円→同年5月23日終値273円(約20.8%上昇)

 

■ ピクセラ(6731

PC向けチューナーなどが主力。国内向けに、コンテンツ撮影からVRシステム提供までのトータルサービスの開発・販売を進める。

2016年1月4日終値116円→同年5月23日終値116円

 

■ サン電子(6736

通信機器・パチンコ関連機器などを扱うメーカー。AR技術を応用した企業向けの業務効率化システムの開発着手。

2016年1月4日終値674円→同年5月23日終値749円(約11.1%上昇)

 

■ イマジカ・ロボットホールディングス(6879

映画・テレビ番組などの企画、制作、販売まで、映像制作のプロセス全体に関わるサービスを展開。VR技術を応用した映像制作の増加見込む。

2016年1月4日終値449円→同年5月23日終値437円(約2.7%下落)

 

 

まとめ

今後、VR関連産業は有力な成長産業の一つとなる可能性があります。またその中で、VR関連企業の株は投資対象として興味深いものがあります。投資先の候補の一つとして、VR関連銘柄を検討してみてもいいかもしれません。

 

※当記事は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的としており、将来の投資成果を保証するものではありません。また特定の投資商品の購入を推奨するものでもありません。ご了承ください。

 

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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