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2016年07月23日

円安メリット銘柄と円高メリット銘柄を知ろう

 

サマリー

・日経平均株価は、円安ドル高になるほど株高に振れやすい傾向が見られる

・「円安メリット銘柄」として、自動車関連株、電機・機械株や精密機器株などが挙げられる

・一方、「円高メリット銘柄」には小売・食品株、製紙株、旅行産業株などが挙げられる

 

 

為替と株価の関係

下図は、直近1年程度のドル/円の為替レートと日本株の推移を示したチャートです。青のチャートがドル/円の為替レート、赤のチャートが日経平均株価をそれぞれ示しています。下図では、青のチャートは上昇するほど円安を、赤のチャートは上昇するほど株高を表しています。

日経平均と為替

http://finance.yahoo.com/より作成

 

これらのチャートによると、ドル/円の為替レートが円安ドル高になるほど日経平均株価は株高に振れやすい傾向が見られます。その理由として、日経平均採用銘柄に輸出関連株が多いことや、日本の株式市場の6割程度の売買シェアを占める外国人投資家にとって円安ドル高が日本株の購入に有利に働くことなどが挙げられます。

 

但し、個別銘柄としての日本株を見ると、円安がプラスに働く銘柄も円高がプラスに働く銘柄もどちらもあります。日本株の投資に当たって、円安・円高の影響については個別銘柄の特性を見極める必要があるでしょう。

 

 

円安メリット銘柄

ここからは、為替の動向によって日本株の個別銘柄がどのように影響されるのか見ていきます。

 

「円安メリット銘柄」とは、円安が業績にプラスに働く銘柄を指します。つまり、“円安”によって業績が良くなり、結果株価が上昇する可能性がある銘柄であるということです。円安メリット銘柄には、以下などが挙げられます。

※当記事は個別銘柄の購入を推奨するものではありません。また、これらの銘柄が確実に株価を上昇させるということを保証するものでもありません。

 

■ 自動車関連株

自動車関連産業は輸出台数や輸出金額が多く、円安が業績にプラスに働く産業といえます。個別銘柄としては、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、日産自動車(7201)、マツダ(7261)などの銘柄や、関連産業のデンソー(6902)、アイシン精機(7259)、曙ブレーキ工業(7238)、JSR(4185)などが挙げられます。

 

■ 電機関連株

電機関連産業も海外売上高比率が総じて高く、多くの円安メリット銘柄があります。個別銘柄としては、日立製作所(6501)、パナソニック(6752)、ソニー(6758)、キャノン(7751)などの銘柄や、産業用ロボットのファナック(6954)や安川電機(6506)、事務機大手のリコー(7752)、モーターの日本電産(6594)やマブチモーター(6592)などが挙げられます。

 

■ 機械株

機械株にも海外売上高比率の高い銘柄が数多くあります。総合重機の三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)、IHI(7013)、建設機械のコマツ(6301)や日立建機(6305)、空調機などのダイキン工業(6367)、電動工具のマキタ(6586)、金属加工機械のアマダホールディングス(6113)などが挙げられます。

 

■ 精密機器株

円安メリット銘柄は、精密機器業界にも見られます。ニコン(7731)、テルモ(4543)、オリンパス(7733)、日機装(6376)、シチズンホールディングス(7762)などが挙げられます。

 

 

円高メリット銘柄

一方、円高が業績にプラスに働く「円高メリット銘柄」もあります。これらの銘柄は“円高”によって業績が良くなり、結果株価が上昇する可能性があります。円高メリット銘柄には、以下などが挙げられます。

※当記事は個別銘柄の購入を推奨するものではありません。また、これらの銘柄が確実に株価を上昇させるということを保証するものでもありません。

 

■ 小売・外食産業株

小売業や外食産業の中には、海外からの輸入依存度が高く、円高が業績に追い風になる銘柄が見られます。個別銘柄としては、ニトリホールディングス(9843)、ファーストリテイリング(9983)、エービーシー・マート(2670)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)などが挙げられます。また、外食産業株としては、サイゼリヤ(7581)、ゼンショーホールディングス(7550)、すかいらーく(3197)などがあります。

 

■ 食品業界

食品業界は、円高により輸入品の仕入価格が低下するメリットを受けることができます。個別銘柄としては、日本製粉(2001)、日清製粉グループ本社(2002)、昭和産業(2004)、サッポロホールディングス(2501)、キリンホールディングス(2503)などが挙げられます。

 

■ 製紙業界

製紙業界もまた、円高により原料価格が低下するメリットを受けます。王子ホールディングス(3861)、日本製紙(3863)、北越紀州製紙(3865)、大王製紙(3880)などが挙げられます。

 

■ 旅行業界

円高により日本人の海外旅行者が増えれば、旅行業界に追い風になる可能性があります。エイチ・アイ・エス(9603)、KNT-CTホールディングス(9726)、ユーラシア旅行社(9376)、ニッコウトラベル(9373)などが挙げられます。

 

 

まとめ

日本株は、為替の大きな影響を受けると考えられます。日本株への投資を考えるに当たっては、将来の為替の動きも考慮する必要があると言えるでしょう。

 

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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