Warning: "continue" targeting switch is equivalent to "break". Did you mean to use "continue 2"? in /home/missinglink001/www/assetnotes/wdprs/wp-includes/pomo/plural-forms.php on line 210
検証「米大統領選の年は株高・ドル高になる」は本当か? | ASSET NOTES | ASSET NOTES

記事詳細

2016年02月12日

検証「米大統領選の年は株高・ドル高になる」は本当か?

 

サマリー

・2016年は4年に1度の米大統領選の年。選挙と株価・為替の関係を検証する

・結論として、米大統領選が日米の株式や為替に作用するとは断定できない

・投資判断に当たっては、うわさや経験則のみに基づかず、客観的な根拠に基づいて考える必要がある

 

 

米国の新大統領が2016118日に決まる

2016年は、米国で4年に1度の大統領選挙が行われる年です。

 

2016年2月から、米国の各州で民主党・共和党それぞれの大統領候補者を決める予備選挙が行われています。3月1日の「スーパーチューズデー」(多数の州で同時に予備選挙が開催される日。この日の各州の投票結果が各党の候補者選びに大きく影響する。)では、民主党はクリントン氏、共和党はトランプ氏がリードする結果となりました。各党の大統領候補者は、それぞれ7月18~21日の共和党全国大会と7月25~28日の民主党全国大会において決定されます。その後、11月8日に行われる大統領選本選で、各党の候補者のうち、米国の新しい大統領がどちらになるか決まります。

 

米大統領選は、為替や株式市場にどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、過去の米大統領選の年における株価や為替の値動きについて見てみましょう。

 

 

米大統領選の年は株が上がる?

一般的に、株・為替などの金融市場には「アノマリー(経験則)」があると言われます。アノマリーとは、明確な理論的根拠に基づいて説明できないが、経験的に発生する可能性が高いと考えられている事象をいいます。アノマリーの例として、「12月は日本株が上がりやすい」「米国株は、5月から9月まで値上がりしにくい(Sell in May)」などが挙げられます。

 

このアノマリーの1つに、今回のテーマである大統領選にまつわるものがあります。「大統領選挙の年は米国株が上がりやすい」というアノマリーです。では、このアノマリーは信頼に足るものでしょうか。検証してみましょう。

 

以下のチャートは、1990年以降に行われた大統領選挙の年のNYダウ平均株価の値動きを表したものです。

 

 

大統領選挙の年におけるNYダウ平均株価の値動き(1990年以降)

大統領選挙の年におけるNYダウ平均株価の値動き

 

こちらのチャートを見る限り、米大統領選が米国株にプラスの影響を与えるとは断定できない、と考えられます。リーマン・ショックの起こった2008年の大暴落を除いても、大統領選の年に特筆すべき株価の値上がりは見られません。米国株の過去の値動きに基づくと、大統領選と米国株との間に、あまり強い相関性を見出すことはできないかと考えられます。従って、1990年以降の最近の傾向からすると、「大統領選挙の年は株価が上がりやすい」という経験則のみに基づいて、安易に投資するのは妥当ではないと言えるでしょう。株式投資を行う場合は、より明確な根拠に基づいて投資の是非を判断する必要があります。

 

 

米大統領選でドル高になる?

では、米大統領選は為替にどのような影響を与えるのでしょうか。

 

楽天証券のレポート(後記)によると、1970年以降の米大統領選の年におけるドル円相場の変動は、各年ばらつきがあります。ドル高・ドル安傾向を見ると、1972年から2012年まで11回行われた大統領選の年のうち、ドル高傾向にあるのが6年、ドル安傾向にあるのが5年です。よって、米大統領選と為替の関係についても、米国株式と同じく、強い相関性は見当たらないと考えられます。

 

 

日本株への影響は?

最後に、米大統領選が日本株に与える影響を見てみましょう。

 

三井住友アセットマネジメントのレポート(後記)によると、1950年以降の米大統領選の年に、日経平均株価は上昇する傾向があると示されています。このレポートに示される通り、大統領選と日経平均株価の騰落率の関係について、1950年以降の15回行われた大統領選の年のうち、日経平均株価の上昇回数が10回、下落回数が5回とされています。よって、日経平均株価は大統領選の年に上昇しやすい、と考えられないわけではありません。

 

しかし、私見ではありますが、大統領選と日経平均株価に相関があるとは断言できない、と考えられます。というのも、1950年の戦後復興期から1990年前後の日本は高度経済成長期-バブル期に当たるため、そもそも日本経済が上向きであり、株価が上昇傾向にありました。したがって、1950年から1990年前後の間においては、株価上昇の要因が米大統領選にのみあると判断するのは難しいと言えます。実際、改めて三井住友アセットマネジメントのレポートに鑑みれば、1990年以降に5回行われた大統領選の年に限っては、日経平均株価の上昇回数は2回、下落回数は3回です。

とすると、現時点では、大統領選の日本株への影響については、未だ根拠が乏しいと言わざるを得ません。今のところ、「米大統領選の年は日本株が上昇しやすい」といった経験則は、信頼に足るとは言えないと考えられます。

 

以上より、日本株投資を検討するに当たっては、米国株と同じく、大統領選の有無ばかりに着目するのではなく、より客観的な根拠に基づいて投資の是非を判断する必要があります。

 

 

まとめ

株式・為替などの金融市場には、信頼に足るものか一概に言えないアノマリーがよく見られます。そのようなアノマリーのみに基づいて行動せず、より客観的なデータや根拠に基づいて投資判断を行った方がよいでしょう。

 

 

参考資料

・楽天証券 第87回 米大統領選挙とドル円相場

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/fx/h_beginner/0087.html

・三井住友アセットマネジメント 米大統領選挙と相場の関係(その3)

http://www.smam-jp.com/documents/www/market/ichikawa/irepo151027.pdf