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2016年05月22日

人工知能が社会を変える? – 人工知能関連銘柄 –

 

サマリー

・人工知能など先端技術の市場規模は、政府目標で2020年頃までに30兆円を目指している

・人工知能は、音声認識や自動運転車の分野などで既に実用化され始めており、成長産業として注目されている

・人工知能関連銘柄を20社ご紹介。将来的な投資対象として是非ご参考に

 

 

2020年、人工知能市場が30兆円規模に拡大か

2016年4月、政府は、人工知能(AI=Artificial Intelligence)やビッグデータなど先端技術の市場規模を2020年頃までに30兆円に育てる目標を掲げました。「国内総生産(GDP)600兆円」の実現に向けて、人工知能分野などを経済成長の柱にしたい狙いがあると考えられます。今後の成長産業の一つとみられる人工知能関連企業は、将来的に有望な投資先と言えるかもしれません。今回は人工知能の概要を解説し、人工知能関連株式の一部をご紹介します。

 

人工知能とは、コンピュータなどで人工的に人間の知能の働きを実現させる技術のことを指します。人工知能に関する最近の報道としては、「コンピュータ将棋ソフトや囲碁AIが人間のトッププロに勝利」などといったニュースを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。分野によっては、人工知能が既に人間の知能を超越したとさえ言われています。将棋・囲碁のAIの他にも、人工知能の一例として「音声認識」「画像認識」「機械学習」「ロボット」などが挙げられます。人工知能の技術は、実社会への応用範囲が非常に広く今後ますます発展していく産業の一つであると考えられます。

 

 

人工知能の活用例

具体的に、人工知能技術を研究開発している企業を見てみましょう。

 

IBMが開発している人工知能は、既に銀行や保険会社のコールセンターにおける実用化が進んでいます。人工知能が音声を認識して顧客の会話を記録・解析し、顧客の問い合わせへの回答になる情報をオペレーターに自動的に表示しているのです。

 

また、AIによる自動車の自動運転技術が実用化されようとしています。測量ソフト販売のアイサンテクノロジーは、名古屋大学などと共同で自動車の自動運転の実証実験を開始しています。大手企業でも、トヨタや日産自動車が自動運転車の開発に乗り出しており、加えて、海外でもグーグルが2009年からいち早く自動運転技術を研究開発しています。AIの産業活用は、既に世界規模での競争が激しくなりつつあると言えます。

 

このように、人工知能は現実社会に対して大きなインパクトをもたらしうるテクノロジーであり、人工知能業界は大きな将来性を秘めていると言えるでしょう。

 

 

人工知能関連20銘柄

今後とも、人工知能業界のまたその関連企業の成長には注目しておいた方がいいかもしれません。ここでは、人工知能関連銘柄の一部をご紹介します。人工知能関連企業への投資をお考えの方は、是非参考にしてみてください。

※あくまでも管理人の個人的なピックアップです

 

■ UBIC【2158

  •  人工知能を応用した独自技術「Predictive Coding」により、データ処理・分析を手掛ける。
  •  2016年1月4日終値941円→同年4月19日終値1,063円(約13.0%上昇)

 

■ レカム【3323

  •  人工知能を搭載した世界初の画像認識サービスを提供する「AI inside社」と業務提携。
  •  2016年1月4日終値44円→同年4月19日終値74円(約68.2%上昇)

 

■ モルフォ【3653

  •  人工知能技術「ディープラーニング」を用いた画像認識技術の開発を進める。
  •  2016年1月4日終値6,540円→同年4月19日終値8,560円(約30.9%上昇)

 

■ ブレインパッド【3655

  •  人工知能を用いて、企業の採用活動を支援する技術を開発している。
  •  2016年1月4日終値873円→同年4月19日終値781円(約10.5%下落)

 

■ テクノスジャパン【3666

  •  人工知能を搭載した統計解析システム「scorobo」を販売している。
  •  2016年1月4日終値3,505円→同年4月19日終値5,520円(約57.5%上昇)

 

■ ホットリンク【3680

  •  SNSなどに投稿されたデータを人工知能技術によって分析するサービスを提供。
  •  2016年1月4日終値566円→同年4月19日終値560円(約1.1%下落)

 

■ リアルワールド【3691

  •  日本語の言語処理に関する人工知能の精度向上支援サービスを商品化している。
  •  2016年1月4日終値3,130円→同年4月19日終値2,375円(約24.1%下落)

 

■ サイオステクノロジー【3744

  •  機械学習機能を搭載したIT運用分析ソフトウェアを提供している。
  •  2016年1月4日終値548円→同年4月19日終値1,101円(約100.9%上昇)

 

■ アドバンスト・メディア【3773

  •  人工知能技術を利用した次世代型の音声対話システム「AmiAgent」を販売。
  •  2016年1月4日終値684円→同年4月19日終値1,127円(約64.8%上昇)

 

■ コムチュア【3844

  •  ビッグデータやAIサービスを推進するための子会社を設立。
  •  2016年1月4日終値2,229円→同年4月19日終値2,606円(約16.9%上昇)

 

■ データセクション【3905

  •  人工知能を活用したソーシャルメディア分析サービスなどを提供。
  •  2016年1月4日終値608円→同年4月19日終値720円(約18.4%上昇)

 

■ ALBERT【3906

  •  人工知能を活用して、画像へのタグ付けを自動的に行なうシステムを開発。
  •  2016年1月4日終値1,264円→同年4月19日終値2,547円(約101.5%上昇)

 

■ ジグソー【3914

  •  人工知能などをベースとした自動制御システムをクラウド上で提供している。
  •  2016年1月4日終値6,350円→同年4月19日終値20,710円(約226.1%上昇)

 

■ インテージホールディングス【4326

  •  人工知能による情報処理技術を活用した法人向けサービスを行っている。
  •  2016年1月4日終値1,686円→同年4月19日終値1,431円(約15.1%下落)

 

■ アイサンテクノロジー【4667

  •  測量ソフトなどの開発販売。自動運転車の実用化に向けて研究開発に従事。
  •  2016年1月4日終値9,130円→同年4月19日終値7,360円(約19.4%下落)

 

■ クリーク・アンド・リバー社【4763

  •  人工知能を用いてテレビやSNS上のデータを分析・検証できるソフトウェア提供。
  •  2016年1月4日終値625円→同年4月19日終値475円(24.0%下落)

 

■ アライドアーキテクツ【6081

  •  人工知能によってイベント主催者と参加者の最適なマッチングを行うシステムを公開。
  •  2016年1月4日終値531円→同年4月19日終値1,302円(約145.2%上昇)

 

■ ロゼッタ【6182

  •  ビッグデータから言語の統計解析を行い、AIを活用した機械翻訳の研究開発を行う。
  •  2016年1月4日終値1,517円→同年4月19日終値2,915円(約92.2%上昇)

 

■ ソネット・メディア・ネットワークス【6185

  •  人工知能により、ユーザーのターゲティング精度を高めて広告効果の最適化を図る。
  •  2016年1月4日終値3,800円→同年4月19日終値2,670円(約29.7%下落)

 

■ ユニバーサルエンターテインメント【6425

  •  自動で顧客対応する人工知能を搭載したバーチャルエージェントのシステム提供。
  •  2016年1月4日終値2,180円→同年4月19日終値1,849円(約15.2%下落)

 

 

まとめ

政府目標にも掲げられているように、今後、人工知能業界は成長段階に入る可能性が高いと考えられます。興味のある方は、人工知能関連企業への投資を今後のポートフォリオに加えることを検討されてみてもいいかもしれません。投資対象としての成長性だけでなく、日本経済全体の成長にも強く関わってくる分野として、今後もこの業界から目が離せません。

 

※当記事は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的としており、将来の投資成果を保証するものではありません。また特定の投資商品の購入を推奨するものでもありません。ご了承ください。

 

 

片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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