資産運用 Lab.
現代のヘッジファンド
アルフレッド・ジョーンズによって1950年頃に基礎が確立され、 そして2015年現在、世界には1万本以上のヘッジファンドが存在します。
ヘッジファンドの根幹を為す考え方は前章で見た通りですが、その後様々な進化を遂げ、現代では以下のような特色を備えるようになります。
・私募
・成果報酬型
・絶対利益追求(いかなる相場でも勝つ)
・プロ中のプロのよる運用
・機関投資家及び一部富裕層のみを顧客とする
・最低投資額が高い(1000万円〜10億円)
・投資家にとって流動性が低い
・規制の緩やかな非課税地域にて設立
・戦略を開示しない
・投資方法に制限を設けず、多様な運用手法を利用
この中でも、最後に挙げた「運用手法」は特に重要で、ヘッジファンドの戦略は時代の流れに合わせて変化していきます。
現在一般的な手法だけでも以下のようなものがあります。
・ロングショート
・マーケットニュートラル
・マーケットタイミング
・レラティブバリュー
・イベントドリブン
・グローバルマクロ
・マネージドフューチャーズ
・アクティビスト
これらの特色や手法は、収益機会に応じて生み出されて来たものであり、これからも市場に何かしらの歪みを発見してはそこで収益を上げる新たな手法が確立されていくでしょう。
金融の世界において、ヘッジファンドは常に新たな手段を模索し、変化の先駆けとなっています。 新たな体制や手法は、先ず「異端」と見なされ、しかし合理的であればそれは徐々に定着し、そして数十年後には「スタンダード」となります。 「ヘッジファンド」という言葉には、”体制” や “仕組み” による完璧な定義が存在しません。 それは時代の流れに応じて変化し、既存の概念に捕われず収益を追求する組織なのです。