資産運用 Lab.

序章 カジノを倒産させる

 

要約

 

著者マイケル・ルイス曰く、ウォール街の役割の真髄とは資本を割り振ること。

しかし、マイケル・ルイスは当時、会計学の知識もなければ経営の経験もないまま仕事に従事していた。

「他人の金を使って訳のわからない金融という世界でのギャンブル」をしていることに気がついたルイスは、その本質的な価値の低さが露見してしまう前にその輪から抜け出そうと、それまでの体験記を『ライアーズ・ポーカー』にまとめた。彼はそこで長続きしそうにない、アメリカの債券を転がして大金を稼ぎ出す、当時のウォール街の“意味のないシステム”を記そうとしていた。

 

ルイスの思惑では、ソロモンのモーゲージ・トレーダーだったハーウィー・ルービンがメリル・リンチに転職してほどなく2億5,000万ドルの損失を出したことや、一介の債券トレーダーが4,700万ドルの報酬を安いと感じているといった、ウォール街の“ふざけた”物語を記すことによって、進路を決めかねている大学生が“いかさま”で金を稼ぐ金融界の馬鹿らしさを知り興味を無くさせることであった。

 

しかし、実際には思惑とは反対に、マイケル・ルイスの著書は金融の世界への入門書として扱われ、彼はこのふざけたシステムを転覆させるのは不可能だと感じていた。

 

そこにメレディス・ホイットニーが現れた。彼女は“一介の”アナリストであったにも関わらず、突如として、シティグループの経営がずさんで配当金を削減しなければ破産に追い込まれるだろうと予言したのである。

これを引き金にシティグループは株価を8%下落させ、アメリカ株式市場の時価総額は3,900億ドルの下落。これを機にホイットニーはウォール街で「金融界の預言者」として名を轟かせることとなった。

 

そこでマイケル・ルイスはホイットニーに連絡をした。大金を稼ぐ投資銀行の集団にこれっぽっちも価値がないと言い切り、カジノの胴元として無能だと揶揄する(そもそもウォール街をカジノと揶揄してはいるが)ホイットニーに興味を持ったのだ。

そこでマイケル・ルイスは多くの人たちと同様に「サブプライムローンにまつわる大変動を予期してそれを元に財をなす準備を整えていた人物はいないか?金融界の弱点に気づいてそれを突く準備を整えていた人物はいないのか」と尋ねた。

 

するとホイットニーはスラスラと6人ほど列挙してくれた。その中でまっさきに名前が上がったのが、ホイットニーがオッペンハイマーに職を得たときの研修担当でもある、スティーブ・アイズマンだった。

 

 

 

補足情報

 

モーゲージ・トレーダーとは

モーゲージ証券を担当するトレーダーのことである。モーゲージ証券(MBS:Mortgage Backed Securities)は、わたしたちが住宅を購入する際に利用する住宅ローン(=モーゲージ)を担保として発行された債券である。債券に投資するタイプの投資信託の多くがモーゲージ証券を投資対象としている。モーゲージバック証券、住宅用ローン担保証券とも呼ばれる。

モーゲージバック証券とも呼ぶ。

 

トリックスター>

世紀の空売り>

ライアーズ・ポーカー>


資産運用 Lab.

序章 カジノを倒産させる

 

要約

 

著者マイケル・ルイス曰く、ウォール街の役割の真髄とは資本を割り振ること。

しかし、マイケル・ルイスは当時、会計学の知識もなければ経営の経験もないまま仕事に従事していた。

「他人の金を使って訳のわからない金融という世界でのギャンブル」をしていることに気がついたルイスは、その本質的な価値の低さが露見してしまう前にその輪から抜け出そうと、それまでの体験記を『ライアーズ・ポーカー』にまとめた。彼はそこで長続きしそうにない、アメリカの債券を転がして大金を稼ぎ出す、当時のウォール街の“意味のないシステム”を記そうとしていた。

 

ルイスの思惑では、ソロモンのモーゲージ・トレーダーだったハーウィー・ルービンがメリル・リンチに転職してほどなく2億5,000万ドルの損失を出したことや、一介の債券トレーダーが4,700万ドルの報酬を安いと感じているといった、ウォール街の“ふざけた”物語を記すことによって、進路を決めかねている大学生が“いかさま”で金を稼ぐ金融界の馬鹿らしさを知り興味を無くさせることであった。

 

しかし、実際には思惑とは反対に、マイケル・ルイスの著書は金融の世界への入門書として扱われ、彼はこのふざけたシステムを転覆させるのは不可能だと感じていた。

 

そこにメレディス・ホイットニーが現れた。彼女は“一介の”アナリストであったにも関わらず、突如として、シティグループの経営がずさんで配当金を削減しなければ破産に追い込まれるだろうと予言したのである。

これを引き金にシティグループは株価を8%下落させ、アメリカ株式市場の時価総額は3,900億ドルの下落。これを機にホイットニーはウォール街で「金融界の預言者」として名を轟かせることとなった。

 

そこでマイケル・ルイスはホイットニーに連絡をした。大金を稼ぐ投資銀行の集団にこれっぽっちも価値がないと言い切り、カジノの胴元として無能だと揶揄する(そもそもウォール街をカジノと揶揄してはいるが)ホイットニーに興味を持ったのだ。

そこでマイケル・ルイスは多くの人たちと同様に「サブプライムローンにまつわる大変動を予期してそれを元に財をなす準備を整えていた人物はいないか?金融界の弱点に気づいてそれを突く準備を整えていた人物はいないのか」と尋ねた。

 

するとホイットニーはスラスラと6人ほど列挙してくれた。その中でまっさきに名前が上がったのが、ホイットニーがオッペンハイマーに職を得たときの研修担当でもある、スティーブ・アイズマンだった。

 

 

 

補足情報

 

モーゲージ・トレーダーとは

モーゲージ証券を担当するトレーダーのことである。モーゲージ証券(MBS:Mortgage Backed Securities)は、わたしたちが住宅を購入する際に利用する住宅ローン(=モーゲージ)を担保として発行された債券である。債券に投資するタイプの投資信託の多くがモーゲージ証券を投資対象としている。モーゲージバック証券、住宅用ローン担保証券とも呼ばれる。

モーゲージバック証券とも呼ぶ。