資産運用 Lab.
株式投資とは
株式投資とは株式を買うことであるが,それは株式会社が発行した株式に資金を投じて株主となり,株主権を取得することである。
株主権には,経営に参加する権利,配当をもらう権利,会社解散の際に残余財産をもらう権利などがある。
しかし,通常株式投資という場合は,配当をもらう権利を取得するか,株価の値上がりによって差益をとるか,あるいはその両方である。
株式投資の目的としては,資産として株式を取得する場合と値上がり差益を主とする場合とがある。
(コトバンク)
株式投資の仕組み
株を持つこと自体から得られる収益
株を取得している人(=株主)は、主に以下のような権利を得ることができます
・配当をもらう権利。株主のみの特別優待を受ける権利
ex. 1株あたり5円の配当金を得る。その会社のサービスが10%オフになる優待券を得る
・経営に参観する権利
ex. 株主総会への出席
一般に配当金の相場は2%前後になっており、多くの場合、銀行にお金を預けることによって得られる「預金金利」よりもはるかに多くのお金を得ることができます。
ただし、株式の購入・売却には、手数料※が必要になるため、銀行のように頻繁にお金の出し入れをする場合には、必ずしも収益を上げることができるというわけではありません。
また、一般投資家にはあまり縁がないかもしれませんが、機関投資家などが大量の株を保有し、株主総会での発言力を高めることで、企業に直接働きかけ自身の利益につなげるという方法もあります。
ex. 配当金の金額を増やすように働きかける。企業の利益がより大きくなることを求めて、経営に意見する
このように株を保有していること自体で得る利益のことを「インカムゲイン」と言います。
株を保有して資産を増やそうとする投資家は、なるべく多くの配当が出る株を探したり、自分にとって有益な優待の受けられる株を探して購入します。
株の売買から得られる損益
株を取得していることではなく、売買そのものから利益を得る方法もあります。
株価は日々変動しているので、自分の買った株の値段が、購入時点より上がっていれば、それを売却することで収益を得ることができます。
例えば、1株1,000円の株を100株購入していて、その株の価格が1,200円に上昇した場合、全て売却すれば、
1200円/株×100株 – 1000円/株×100株 = 20,000円
で、20,000円の利益を得ることができます。
逆に、株価が900円に値下がりしてしまった場合、その状態で売却すると10,000円の損失となります。
このように売買によって得られる損益のことを「キャピタルゲイン(キャピタルロス)」と呼びます。
株の売買をして資産を増やそうとする投資家は、今後値上がりしそうな株を探して前もって購入したり、反対に値下がりしそうな株を空売りしておくことで収益を上げようとします。
このような人たちを一般に「トレーダー」と呼びます。
株式投資での運用例
株式投資で得られる損益については
「①保有すること自体で得られる利益:インカムゲイン」と「②売買によって得られる利益:キャピタルゲイン」の2種類があることを説明しましたが、
これらの仕組みはいずれか一方を選択できるものではありません。
株を購入すると、必ず両方の損益が発生することになります。
例:東京電力(株)
2010年4月当時、東京電力(株)(※以下、東電)の株価は約2400円です。
2010年3月期決算説明によると、2011年3月期について、1株につき年間60円の(中間、期末それぞれ30円)の配当予定となっています。
この場合、配当利回りは
60円 ÷ 2400円 × 100 = 2.5%
となり、相場より高く配当狙いの株としてはかなり良さそうに思えます。
しかし、東電の株は、2011年の3月を境に大暴落をします。底値で、400円前後まで株価は下落します。
例えば、2010年4月に2400円/株で1000株(240万円)分の東電株を購入していた場合、株価に大きな変動がなく、順調に推移していけば、
60円/株 × 1000株 = 60,000円
の配当を受けることができました。
しかし、株価が約400円まで暴落してしまったため、所有している株の資本価値は
400円/株 × 1000株 = 40万円 であり、
購入時の240万円と比較すると、年間で200万円の損失が出たことになります。
このように、配当狙いの株式投資であっても、株価の変動により、予想外の結果となることがあります。
一方で、株価が予想以上に上昇した場合、予想外の収益を得る可能性もあります。
株式投資のまとめ
・株式投資によって得られる利益は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」がある。
・「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」はいずれかを選択できるものではない。