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2016年02月05日

衆議院解散で株価上昇!? 選挙と株価の関係

 

サマリー

・中長期的な視点では、選挙と株価の間に、相関性はほとんど見当たらないと思われる

・一方、衆議院解散後、短期的に、株価を上昇させる傾向があると考えられている

・国の政策によって影響を受ける個別株もある。政治の動きに注意してみよう

 

 

2016年参院選の投票日は710日?

2016年7月に実施される参議院選挙。この参院選と同じ日に衆院選も行う「衆参同日選」になるとの観測があります。公職選挙法の規定上、参院選の日程は「6月23日公示-7月10日投開票」となる可能性が現時点で最も高く、今後、政治の動向が経済や株式市場にどのような影響を及ぼすか注目する必要があります。

 

では、選挙は株価に対してどのように影響するのでしょうか。参院選まで約3か月、ここでは選挙と株価の関係について見ていきましょう。

 

 

選挙と株価の関係

選挙の前後1か月における日経平均株価の値動きを見てみましょう。

 

下表は、2000年以降に行われた衆院選投票日前後1か月の日経平均株価の値動きを表しています。

 

衆院選前後1か月間の日経平均騰落率

 

このデータからすると、各衆院選の前後1か月の株価騰落率は、マイナス約4%から約17%まで、かなりのばらつきがあります。投票日前後のより長期的な株価の値動きを見ても、騰落率に一定のパターンは見られませんでした。2000年以降のデータに基づいた限り、選挙と株価に何らかの相関性を見出すことはできないと考えられます。

 

では、参院選についてはどうでしょうか。下表は、2000年以降に行われた参院選投票日前後1か月の日経平均株価の値動きを表しています。

 

参院選前後1か月間の日経平均騰落率
この参院選についてのデータを見ると、2000年以降の参院選5回のうち4回、日経平均株価は下落しています。この結果からすると、「参院選後、株価は下落しやすい」と考えてしまうかもしれませんが、そう結論付けるのは早計です。

 

というのは、日経平均の月間騰落率平均値(調査期間:1985年~2014年の30年間)を調べると、6月から10月までの月別平均騰落率はすべてマイナスです。つまり、そもそも日経平均株価は夏から秋ごろにかけて下落しやすい傾向にあるのです。参院選の投票は3年に一度、必ず7月に実施されることが決まっていますので、参院選投票日が期せずして株価の下落しやすい時期に行われるだけ、というのが正確な見方ではないかと考えられます。

 

以上からすると、少なくとも中長期的には、選挙自体が株価に対して直接的に大きな影響を及ぼすことは考え難い、と結論付けられるのではないでしょうか。

 

 

衆院解散後は株価が上がる?

一方、選挙に関する政治の動きが株価に対して短期的な影響を及ぼすことはあるのでしょうか。

 

下表は、衆議院解散後、解散日から直近5営業日までの日経平均の値動きを示しています。

 

衆院選解散日から5営業日のまでの日経平均騰落率
2000年以降のデータに限った話ですが、衆議院が解散した日から5営業日までの株価騰落率はすべてプラスです。2000年以降、6回ある衆議院解散後の平均騰落率は約3.56%。前述した「2000年以降の衆院選投票日前後1か月の日経平均株価の値動き」と比較すると、選挙前後の1か月間の株価には何のパターンも見られませんでしたが、衆議院解散後5営業日に限っては、株価の値動きに一定の経験則が見出せるかと思います。

 

このように、過去のデータ上、衆議院解散は、株式市場に対して短期的にプラスの影響を与える傾向があります。その理由としては、昨今、金融政策の重要性が高まり、株式市場が以前より政局の変化に敏感に反応するようになったことや、政治による改革への期待感が解散日直後に短期的に高まること、などが考えられます。

 

解散日から1週間前後で平均3.56%の値上がり益が得られる・・・もちろん、常に株価が上がるとは全く断定できません。参考程度でしかありませんが、衆議院解散が株価を上昇させる可能性がある、ということは言えるでしょう。

 

 

「政策に売りなし」?政策関連株をチェック

ここまでは、選挙などの政治動向が日本の株式市場全体に与える影響を見てきました。

 

ここで少し視点を変えて、国家的な政策が個別株に与える影響を見てみましょう。参院選に関連して、今、注目されている投資テーマのひとつが「子育て支援」分野です。安倍政権は、子育て支援政策として幼児教育の無償化や待機児童解消を掲げています。具体的に、保育施設の増設や企業内保育所の積極的な整備を進めることになっています。

 

これらの政策に影響され、「子育て支援」関連の株式が、2016年年明けの水準と比べて大きく株価を伸ばしています(2016年4月4日時点)。例えば、保育所運営最大手のJPホールディングスの株価は、2016年1月4日終値の349円から同年4月4日終値の419円まで、約20%上昇しています。このように、時の政権の政策によって大きく値上がりする個別銘柄があります。株式の銘柄選択に当たって、政策関連銘柄に注目するのも一つの投資法だと考えられます。

 

今回、取り上げた投資テーマはほんの一例に過ぎません。政治の動きや政策の移り変わりによって日々テーマは変わりますので、日ごろ目にするニュースの中に投資のヒントが眠っていないか、ぜひ探してみてください。

 

 

まとめ

選挙や政治の動きが、中長期は別として、短期的に株式市場に好影響を与えることがあります。また、国の政策によって大きく値動きする銘柄もあります。政局に関する報道など見落としがちですが、日々少しずつでもチェックするとよいでしょう。

 

※当記事に記載された内容は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的としており、将来の投資成果を保証するものではありません。

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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