まずはここからおさえよう!オプション取引の基本
サマリー
・オプションとはある商品を特定の価格で売買できる権利のこと
・特定の価格で買う権利をコールオプション、売る権利をプットオプションという
・オプションには、ヨーロピアンタイプとアメリカンタイプの2種類がある
オプション取引とは
オプションとはデリバティブと呼ばれる金融派生商品の一種で、ある商品を特定の価格で売買できる権利のことを指します。その権利を売買することをオプション取引と言います。
オプション取引には権利の買い手と売り手がいます。買い手が権利を行使することは任意ですが、売り手は買い手の要望には必ず応じなければなりません。
オプション取引は、手法を組み合わせることによっていくつものパターンがあり、大変複雑な取引となっています。
ここでは、最も基本的なコールオプションとプットオプションについて解説していきます。
コールオプションの買い手と売り手
コールオプションはある商品を特定の価格で買う権利のことを指します。この特定の価格のことを「行使価格」といいます。また、権利を買う価格のことを「オプション価格」といい「プレミアム」ともいいます。
例えば、現在ドル円相場が1ドル100円だったとします。そこで30銭をプレミアムとして、行使期間1か月、1ドルを100円で買うコールオプションを売買したとします。
1か月後、相場が101円になったとすると、コールオプションの買い手は1ドルを100円で買うことができますので、それを市場の価格101円で売れば101-100=1円の利益を得ることができます。ただし、プレミアムとして30銭を支払っていますので、通算の利益は70銭となります。
逆にコールオプションの売り手はどうでしょうか。1ドル101円の為替相場にもかかわらず1ドル100円で売らなければならないので、100-101=-1となり1円の損失が出ます。ただし、30銭のプレミアムを受け取っているので70銭の損失となります。
グラフにすると下図になります。
(FXオプション取引netより)
コールオプションの買い手は、支払ったプレミアムよりも大きく相場が上昇すれば利益が生じ、それより小さい場合はコールオプションの売り手に利益が生じるのです。
プットオプションの買い手と売り手
プットオプションは商品を特定の価格で売る権利のことを指します。
例えば、現在ドル円相場が1ドル100円だったとします。そこで40銭をプレミアムとして、行使期間1か月、1ドルを100円で売るプットオプションを売買したとします。
1か月後、相場が99円になったとすると、プットオプションの買い手は1ドルを100円で売ることができますので、100-99=1円の利益を得ることができます。ただし、プレミアムとして40銭を支払っていますので、通算の利益は60銭となります。
逆にプットオプションの売り手はどうでしょうか。1ドル99円の為替相場にもかかわらず1ドル100円で買わなければならないので、99-100=-1となり1円の損失が出ます。ただし、40銭のプレミアムを受け取っているので60銭の損失となります。
グラフにすると下図になります。
(FXオプション取引netより)
プットオプションの買い手は、支払ったプレミアムよりも大きく相場が下落すれば利益が生じ、それより小さい場合はプットオプションの売り手に利益が生じるのです。
ヨーロピアンタイプとアメリカンタイプ
オプション取引はリスクを限定しながら、相場の動きに合わせて利益を得ることができます。場合によっては複数のオプション取引を組み合わせることで、さらにリスクのコントロールをすることができます。
さて、コールオプション・プットオプションの説明では行使期間を1か月として、1か月後の価格に対して損益を見てきました。このように行使期間の最終日、満期日のみ権利を行使できるタイプをヨーロピアンタイプといいます。
また、行使期間中いつでも権利を行使できるタイプをアメリカンタイプと言います。権利行使期間が1か月であれば、1週間後だろうと、2週間後だろうと買い手のタイミングで選べます。
権利行使日が限定されているヨーロピアンタイプと比べると、いつでも選べるアメリカンタイプの方がいいように思えますが、その分プレミアムが高くなっているのが一般的です。
そのため、どちらがいいとは一概には言えず、状況に応じた選択が重要になってくるでしょう。
まとめ
基本的なオプション取引だけを見てもいくつものパターンがあり、それを商品や複数のパターンの組み合わせまで考えると膨大な数になってしまいます。例えば、コールオプションの買いとプットオプションの買いを組み合わせることで、株価が安定していると損失が出るが、大きく動けば利益を得る取引をすることができるようになります。
一般の方がオプション取引を上手く使って安定して利益を上げるのはまず難しいでしょう。投資家として自分自身が勉強するのはもちろん大切ですが、割り切って、ここからはプロに任せると線を引くことも同じくらい重要と言えるでしょう。
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