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2018年01月23日

流行りの私募型ヘッジファンドの特徴を徹底解説 – BM CAPITAL(BMキャピタル)を一例に –

近年、私募型のヘッジファンドが注目を集めています。

個人での資産運用が盛んになる中で、投資の選択肢は広がり、証券会社で取り扱っているような株や債券、投資信託ばかりでなく、独立系の投資信託なども選択肢に上がるようになってきました。

 

そんな中でも、今最も注目が集まっているのが「私募」のファンドです。

インターネットでヘッジファンドを検索すると、BM CAPITAL(BMキャピタル)に代表されるような、国内の私募型ヘッジファンドを目にする機会も増えてきています。

 

しかしながら、まだ日本での馴染みがあまりない私募型のヘッジファンドは、情報も限られており、そのスキーム(仕組み)や実態を掴みにくいという声もあるようです。

そこで、今回は、にわかに注目を集めている「私募型」のヘッジファンドについて、その実態を解説しつつ、優良なファンドを見極める方法について解説していきたいと思います。

 

 

なかなか情報が得られない私募ファンド

私募型ファンドの中には、金融庁への届出を行なっていないものも少なくなく、銀行や証券会社などでの取り扱いがないため、なかなかその情報を得ることができません。

そのファンドが独自の募集を行なっているのみであり、文字通り「私募」なのですが、大手金融機関など第三者からの情報や客観的な情報が無いために、情報が限られてしまい、結果として、「怪しい」「詐欺なのでは?」との声が上がってしまうのだと思います。

 

たしかに、「免許がない」「届出がない」「第三者からの情報がない」などと聞くと聞くと不安になってしまうでしょうが、免許や届出が”ない”のではなく、”必要ない”というのが正しい理解です。

まずは、金融庁への届出が必要ない私募ファンドについて、その仕組みを解説したいと思います。

 

 

適格機関投資家等特例業者とは

一般に、ファンドを運営しようと思った場合、第一種/二種金融商品取引業や投資助言業、投資運用業などとしての登録が必要になります。銀行や証券会社、広告を出しているような「公募型」のファンドなどはこれに該当します。

 

これらに登録することで、広く一般的な投資事業(勧誘や運用)を行うことができますが、一部のファンドはこれらの登録をせず、簡易な届出のみで事業を営んでいます。

それが「適格機関投資家等特例業務業者」です。

 

適格機関投資家とは、金融証券取引法で「有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める者」と定められている、いわゆるプロの投資家であり、これらの人たちに対象を限れば、先述の第二種金融商品取引業や投資運用業などを取得することなく事業を営むことができます。

 

適格機関投資家等特例業務業者という形態であれば、第一種/二種金融商品取引業や投資運用業務ほどの経費や時間・手間などのコストをかけることなく、ファンドを組成することができます。

 

ただし、「自己募集・自己運用をしなければいけない(私募)」や「投資家が49名以下」といった制限がかかります。

これらの制約があっても、コストを抑えたいと考える業者は、「適格機関投資家等特例業務業者」という形式を採るのです。

 

 

合同会社社員持分というスキーム

しかし、最近注目を集めているファンドの中には、この適格機関投資家等特例業務業者ですらないものも存在します。金融商品の多様化に伴い、ファンドなどの金融業者の形態もまた多様化しています。

 

例えば、最近耳にする機会の多いBM CAPITAL(BMキャピタル)などは合同会社というスキーム(仕組み)を採用しています。これは、合同会社の社員持分を販売し、いわゆる株式会社の株主を募るような形で出資者を募る方法です。

 

確かに、あまり馴染みのない方法であり、金融庁などにもファンドの形態として明記されてはいません。ただ、この出資スキームについて、金融庁や関東財務局、弁護士などに確認をしてみても、「なんの問題もない」という回答を得ることができます。

 

いわゆる「違法」でも「脱法」でもありません。

ちなみに、合同会社という形式では、「自己募集・自己運用をしなければいけない(私募)」「出資者を499人までしか募ることができない」といった制約や、一般に株式会社などと比較して企業などからの信用を得難いといったデメリットもあります。

 

合同会社といったスキームも、ある程度の制約を受け入れることでコストを抑えることを目的としていると言えるでしょう。

確かにメジャーではないかもしれませんが、「違法」や「脱法」ではなく「適法」なスキームは色々と存在します。「節税」などに近いようなものかと考えられます。

 

 

違法・詐欺のファンドの見極め方とは

このように、投資スキームは非常に複雑なため、法律のプロではない個人がその仕組みの合法性を見極めるのは簡単ではありません。とはいえ、スキームそのものが違法のファンドはほとんど無いと行って良いと思います(もし、そんなファンドがあればすぐさま摘発されているはずです)。

もし、どうしても気になるファンドがある場合は、弁護士などに確認してみるとよいでしょう。

 

一方で、怪しいファンドがあることも事実です。合法スキームでありながら、資金を持ち逃げするようなファンドが過去にあったこともありました。

ファンドを見極める際にはもっと重要なことがあります。

 

例えば、「最低年利15%!」などと異常に高い利回りを確約するするようなファンドは注意した方がよいかもしれません。そんなに高い利回りを安定して出すことができるのであれば、それはもっと世の中に出回っているはずです。甘い話には注意しなければいけません。

 

また、異常に手数料の安いファンドや手続きが簡単なファンドにも注意した方がよいでしょう。一般に、ヘッジファンドの手数料は年5%前後、成功報酬として20%~高いものだと50%近いものもあります。そんな中、「手数料が年1%、成功報酬も10%」などと謳うファンドがあった場合、気をつけなければいけません。

 

「タダより安いものはない」と言いますが、それに近いものを感じます。

加えて、リスクをきちんと説明しないファンドにも気をつけた方が良いでしょう。投資には必ずリスクが伴います(定期預金のように非常に利率の低いものは別ですが)。増える可能性があるものには、当然減る可能性(リスク)も伴うのです。

 

このリスクをきちんと説明しないファンドは怪しいかもしれません。

最後に、どんな人間がファンドマネージャを務めているのか、その人のプロフィールが分からないようなファンドは気をつけた方が良いかもしれません。

あるいは、超有名な人の名前ばかりをチラつかせて権威をアピールするようなファンドもあまり信用できない気がします(もちろん本当にそういった方が監修しているファンドもあるので、一概には否定しません)。

 

ネット上だけでやり取りをして、直接会って顔を確認できないようなファンドに大切な資産を預けたくは無いですよね。

ここまでの話をまとめると、

・異常に高い確定利回り
・不自然に安い手数料
・リスクを開示(説明)しない
・ファンドマネージャの経歴がわからない

といったファンドには注意が必要ということでした。

こういった、いかにも”美味しい話”に聞こえるようなファンドには注意した方がいいかもしれません。

 

 

優良なファンドを見極めるポイント

さて、様々な観点から違法性の低いファンドを見極めることができたとします。弁護士などに確認もとれたとしましょう。

そこまでいったとしても、世の中にはたくさんのファンドが存在します。そこで、最後に優良なファンドを見極める際に重要なポイントを整理してお伝えしたいと思います。

 

堅実な投資戦略

もちろん人によって目指すところは違うでしょうが、ファンドでの運用を希望するような方は、より確実にプロの手法での運用を期待しているはずです。

 

そもそも確実な運用を希望していたはずなのに、そのファンドの投資戦略が投機的では話になりません。投資戦略や手法は運用の成果に直結します。

また、レバレッジなどをかけた、リスクを増幅させるような運用をしていないか、きちんと確認するとよいでしょう。

 

安定した運用実績

ファンドの多くは、過去の運用実績を公開していますが、その「推移」が安定しているのかどうかも注目すべきポイントです。

仮に年平均が+20%だったとしても、

「-25%〜+45%」を推移しているファンド と
「+15%~+25%」を推移しているファンド とでは、後者のファンドの方が圧倒的に良い運用だと言えます。

 

過去の推移をグラフにした時に、大きく上下するようなファンドの運用は今後どうなるかわかりません。

成績が安定しているファンドは「実力」で成果を残していると考えられますが、上下の幅が大きいファンドは「運」に成果を委ねているとも考えられます。

「何%なのか」という数値も重要ですが、その安定感も確認するようにしましょう。

 

トータルの手数料や契約のルール

手数料というと、「購入手数料」や「成果報酬」など様々な種類のものがありますが、ついつい購入時の手数料にばかり目が行ってしまいがちです。

特に「購入(販売)手数料」は、最初に払わなければならない近々の出費となるためついつい気になってしまいます。

 

そのため、購入手数料のみが安く設定されているファンドも少なくありませんが、重要なのは、購入〜運用〜解約までを含めた「トータル」の手数料です。

最終的に、解約をして資金を手元に戻さなければ、運用で収益を得たことにはなりません。きちんと解約手数料まで込みで手数料を確認するようにしましょう。

 

また、ロックアップ期間(資産を引き出せない期間)の長さなども注意しておいた方がよいでしょう。人生何があるかわかりません。緊急で手元に現金が必要になった際に、ロックアップされて引き出せないと不便になることがあります。

そういったリスクを考慮すると、あまりにもロックアップ期間が長いファンドには大きな資金を投入することが難しくなってしまいます。

資産の運用を長い目で捉え、長期的に無理のないファンドを選ぶようにしましょう。

 

 

私募型ヘッジファンドが気になるのであれば、まずは問い合わせを

ここまで、私募型ヘッジファンドの合法性や、様々なスキームの見極め、そして優良ファンドの見極め方について解説してきましたが、やはりヘッジファンドは一つ一つが違うものであり、一概に判断することはできません。

 

BM CAPITAL(BMキャピタル) など気になるファンドを見つけたら、まずは問い合わせをして直接確認するのがよいでしょう。そのファンドのことは、そのファンドに直接聞いてみるのが一番です。

 

細かいことや具体的なことはファンド固有のものも少なくないため、当の本人たちに説明を求めた方がわかりやすいかもしれません。

今後も、金融業界に長く身を置くものとして、様々な金融商品の紹介や解説記事などを掲載していきたいと思っていますが、最後に頼りになるのはご自身の目で確認した情報です。

 

ネットの情報は、是非「参考」にしていただき、直接一つ一つの金融商品(ヘッジファンド)を手に取って確認してみてください。

 

【参考】BM CAPITAL
■ 会社名:ビーエムキャピタル合同会社
■ 所在地:〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1
■ 最低出資額:1,000万円
■ 主な投資戦略:バリュー投資、アクティビスト投資
■ URL:https://bmcapital.jp/

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片桐 峻

投資家、ファンドマネージャー。
日本にいる時は、時間を見つけてブログの読者さんとお茶しています。
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